化粧品店はっぴーとーく樹音: トップへ

2006年8月フランス3,500kmドライブの旅 店主:東 賢太郎(58歳)
その5

<・BACK NEXT・>

マルセイユを出ていよいよコートダジュールを目指した。まずは「サントロペ」
昔「ズビズビズビ・サントロペ」」なんて歌が流行った、超セレブなヨットハーバーのあるリゾート地「サントロペ」。40年程前だろうか、ブリジト・バルドーの映画「素直な悪女」でその名が世界に広まった。



 ハーバーに着くなり、そこにずら〜っと並んだ大型クルーザーの豪華さに圧倒された。
そして、レストランやお店が立ち並びバカンス客でごったがえす港の中央に着いた時、今度は「おいおい、どんな奴らだよ、こんなクルーザー持つ奴は」とあきれる程大きくて、贅沢で、多分億単位、いや十億単位のクルーザーがびっしり並んでいる。
 舟底のガレージにモーターボートが2台なんてのは当たり前で、ヘリコプターまで搭載しているのを見ると「ほんとに使うのかい。これ飾りなんじゃないの」と云いたいくらいだった。



 こんな光景をを目の前にすると、世界の大きな貧富の差を感じさせられる。近年アフリカで開拓された石油や天然ガスの鉱脈も、一部の政治家と他国の石油メジャーに全て富みを持ち逃げされ、現地人は飢餓に苦しむ現状があるからだ。

 港はそのクルーザーや、セレブ達が船上デッキでパーティーをしている模様を、うらやましそうに下から眺める一般リゾート客で、原宿通りのように込んでいた。



 クルーザーを停泊した目の前の道路には彼等のフェラーリやポルシェの最上級クラス車が並ぶ、それを又皆が覗き込む。一種博覧会の会場のようだ。
 ここは空港も鉄道駅もない小さな町なので、日本人はほとんど来ない。

 暗くなってからホテルを探した。「コンプレ:満員」が多い、「ある」と云われても高すぎる。10軒程回ってあきらめた。たった5〜6時間の睡眠の為に2万円も払うのはもったいない「一人だし、今夜は車で寝よう」。

 ハーバーすぐ脇の広い駐車場での夜明かし組は他にも何組かいた。夜中の12時から大花火大会が始まった。向こう岸の町「サント・マキシム」と海を挟んで、交互にに打ち上げる花火合戦だ。車の向きを変え、窓越しにしばらく見ていたが、又通りに出て私も豪華クルーザー越しに見る花火を堪能した。




 翌朝、カンヌ、ニース、モナコを巡って、海を見下ろす断崖にある「エズ村」に向かった。「しまった、デジカメと携帯の充電が出来なかった」特にカメラが危ない。途中のカフェで電源を借り、コーヒーを飲む間だけ充電。皆親切だった。
 砂浜にはトップレスで身体を焼く女性が多い。服を着たまま砂浜に入り、写真を撮る人はあまりいない。勘違いされないように、写す方向に気をつかった。



「エズ:鷲の巣村」は標高400mの切り立った岩山の上にある。中世の頃、外からの侵略から村を守る為に造られたもので、村の入り口も狭い。ヨーロッパではこんな環境に造られた町や村がほんとに多い。日本は島国だからそんな心配は少なかっただろう。



 エズから、その日の目的地「グラース」へ着いた。世界の香水の里だ。そこはカンヌに近い内陸にあり、落ち着いた環境と広い花畑のお陰で中世から香水産業が発展したのだ。 
 現在もいくつかの工場が稼働し、草花から圧搾蒸留された香りのエッセンシャルオイルが瓶に詰められて出荷される。この香りの里で、シャネルNO.5や有名なブランドの調香師(nez:鼻)が沢山育って行ったらしい。博物館ではそれらの歴史や実演を見る事ができる。



 夜遅く、町の2つ星の手ごろなホテルを見つけた。
余談:朝食の時、コーヒーカップが平たく浅いから飲みにくかった。後で聞いて分かったが、あちらでは、固いパンをコーヒーに浸して食べるからこうなっているらしい。



 フロントの主人に「煙草が買いたいんだけど」と告げると「近くにカジノがあるからそこに行け」と云うので「よしちょっと稼ぐか」とはりきって出かけた。
 中に入るとカジノと云うより、小さなパチンコ屋の雰囲気だ。スロットマシンやゲーム機ばかりで隅にトランプテーブルがあったが客はなく、ディーラーが手持ちぶたさで手招きした。しばらく他愛のない話をしていたら、店長らしき男がビールをサービスしてくれた。



 日本の話をしているとスペインのバレンシアからの若い女性2人も話に加わった。リュックをしょってイタリアのナポリまで行くそうだ。その二人と近くのカフェに移り1時間程お互いの旅の話や化粧の話をした。ジョークで「その胸元がまぶしくてたまらないよ」と云うと「あなたがもっと若い男性だったら見せてあげるのに」とケラケラ笑われた。
 フランスではこの夏、成人女性のファッションは、胸元の谷間が見える程のVネックカットだ。まるく柔らかそうで、どうもチラリと目がいってしまう。
 とにかく明るく可愛い娘達で、翌朝ニースまで車で送ってあげる約束をした。
 午前2時過ぎにホテルに戻った。玄関の鍵がかかっているので、出掛けに渡されたドアの暗証番号のメモ見て何度も押した。が反応しない。呼び鈴を押したが出てこない「マイッタ、閉め出しか!」又車中泊かなと思ったが、車のキーも部屋だ。
 30分程ホテル前の椅子で本を読んでいたら、主人がほろ酔い気分で帰ってきた。
「この番号ちがうじゃないか」と云うと「ほら開くじゃないか」と、4桁の番号を押して開けて見せた。私には、2と読めた数字は実は7だった。日本人からみると西洋人の書く数字は慣れないと読みすらい難。特に数字の1はアルファベットのIと区別するために筆記では独特の書き方で区別する。
 エレベータに乗ろうとすると「ちょっと待て、これを飲んで寝な」と呼び止められホールの冷蔵庫から冷えた白ワインをついでくれた。クーラーのない暑い夜だったので、うまかった。ぐっすり寝込んだ翌朝、私はすっかり寝坊して彼女達との約束の時間に間に合わなかった。
 二人の姿はない。「しまった〜!」悪い事をしてしまい後味の悪い思いで私は寂しくとぼとぼと町を散策した。
 メイン通りで日本人女性と出会った。フランス人と結婚しこの街に住んでいるそうだ。黒髪が長くスレンダーで聡明な顔立をされている。他の街でも出会ったフランス在住の日本女性はこの女性のような方が多かった。そうかヨーロッパ男性はこの女性のようなタイプに魅力を感じるんだ。私と価値観は同じだな、なんて勝手に思った。



 世界的なフレグランスの町「グラース」の博物館や工場を見学し、その歴史の古さを実感させられた。私は花畑も見ながら走ろうと、一晩たった2ユーロの駐車料金を払い出発した。



つづく

<・BACK NEXT・>


Copyright 2006 JUNET INC. All Rights Reserved.